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複雑性

小さなスケールで相互作用する多数の構成要素の集まりが、時に、外部要因や中枢的権威やリーダーがなくとも自発的に自己組織化し不思議な構造や振舞いを大きなスケールで生み出します。これは、構成要素のみについて完全に理解していたとしても、全体の性質を理解したり予測したりすることはできません。そうした集まりを複雑系、そうした性質を複雑系と呼びます。
 

プラズマ

私たちの目に見える物質は,宇宙ではほとんどがプラズマ状態です.例えば,太陽系では,太陽が巨大なプラズマの塊で99%の質量を占めていて,残りの惑星をすべて足しても1%にしかなりません.それでは,プラズマとはいったい何でしょうか? 物質は温度によって固体,液体,気体という3つの異なる状態をとることは良く知られています.水は0℃以下では固体である氷,100℃までは液体である水,100℃を超えると気体である水蒸気になります.さらに温度を上げて10000℃を超えると,水を構成する水素原子や酸素原子がバラバラになり,それぞれの原子から電子が剥ぎ取られ,プラスの電荷を持つ水素や酸素の原子核とマイナスの電荷を持つ電子が高速で飛び交う状態になります.これがプラズマ状態です.つまり,プラズマとは物質が超高温になったときになる第4番目の状態のことです.プラズマは,普通の物質とは違って非常に複雑な振る舞いをします.
 

計算機シミュレーション

このような複雑性が支配する研究領域は,従来の研究手法では解明することができず,未踏の研究領域として残されています.この領域を踏破するための有力な研究手段が,実験,理論に次ぐ第3番目の科学探究の手法であるシミュレーションなのです.
 近年のハードウェアおよびソフトウェア技術の劇的な進歩により,コンピュータの計算能力が飛躍的に向上し,従来では考えられなかった大規模かつ高精度なシミュレーションが可能となりました.このため,シミュレーション科学も大きく発展し,科学の研究手段として確固たる地位を築き,必要不可欠な物になっています.